東京・中央区の為替ディーラー事務所で、円相場を示すボードが1ドル=159円台を表示。過去最大の為替介入後、円安水準が再び進行している様子。
東京・中央区の為替ディーラー事務所で、円相場を示すボードが1ドル=159円台を表示。過去最大の為替介入後、円安水準が再び進行している様子。

過去最大規模の介入でも円安の流れは変えきれず、中東情勢を追う投資関係者の間で状況の変化が見たいところです。

為替介入過去最大11兆円超 記事の流れと主な事実

2026年4月28日から5月27日までの間に、政府と日本銀行は過去最大となる11兆7349億円を為替介入に投入した。この介入により円相場は一時1ドル=155円台まで円高に振れたが、約1か月後には再び159円台まで円安が進行し、介入前の水準に戻った。市場では介入効果が短期間で消失したと分析している。

介入の背景には、2026年2月から続く米国とイランの戦闘による原油価格の高騰がある。戦闘開始前の65ドル前後だったWTI原油先物価格は、4月に一時112.95ドルまで上昇。5月下旬でも88.90ドルと高水準を維持しており、日本にとってのドル需要が高まっている。原油の多くを中東から輸入する日本の企業は割高な原油を買うため、ドルを調達する実需が円安を支えている。

また、日米の金利差も円安要因として作用している。日本銀行は2025年12月に政策金利を0.75%まで引き上げたが、その後は利上げを見送っている。一方、米国はインフレ加速を受けて利上げに転じる可能性が浮上しており、これによりドル需要がさらに高まる見込みだ。市場では日銀が2026年6月に利上げを行うと予想しているが、米国の利上げが実現すれば金利差の縮小は見込めず、円安圧力は続く可能性がある。

専門家は、為替介入は短期的な相場調整にはなるが、中長期的な円安トレンドを変えることはできないと指摘。中東での恒常的な停戦と原油価格の安定がなければ、円安基調は続くとみられている。

主な事実

  • 2026年4月28日~5月27日の政府・日銀の為替介入総額は11兆7349億円で、月間ベースで過去最大。
  • 介入後一時1ドル=155円台まで円高に振れたが、約1か月で159円台まで円安が戻った。
  • 米国とイランの戦闘によりWTI原油価格が戦闘前65ドルから4月に112.95ドルまで上昇し、5月下旬も88.90ドルで推移。
  • 日本企業の実需によるドル買いが円安を長期化させているとみられている。
  • 日銀は2025年12月に政策金利を0.75%に引き上げたが、その後は利上げを見送っている。
  • 明治安田総合研究所の小玉祐一氏は「為替介入では中長期的な円安トレンドは変えられない」と分析。

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