
乾眠中のクマムシが熱を通しにくくなる仕組みで、過酷な環境への適応が少し見えてきます。この話題を追う同僚と共有するには手がかりになるかもしれません。

クマムシが高温に強い理由が判明 記事の流れと主な事実
インド科学大学院大学の研究チームが、乾眠状態のクマムシが高温に耐えるメカニズムを解明しました。地球上の極限環境に生き延びる「最強生物」と呼ばれるクマムシは、乾燥時に体内の水分をほぼ失い、代謝を停止する「乾眠(tun)状態」に入ります。この状態で、体の熱伝導率が大幅に低下し、外部の熱が内部の細胞に伝わりにくくなることで、85°Cの高温でも一部が生存できることが実験で確認されました。
これまでクマムシの耐性は主に生化学的な仕組み、特にトレハロースという糖による細胞保護で説明されてきました。しかし、それだけでは高温耐性の全容を説明しきれず、長年の謎となっていました。今回の研究では、熱伝導率の低下という物理的メカニズムが加わることで、より包括的な理解が進みました。
研究チームは今後、この熱遮断機能が分子レベルでどのように実現されているかを解明する予定です。また、他の極限耐性生物にも同様の現象があるかを検証する計画です。この発見は、宇宙探査機や山火事対応機器など、過酷な環境で使う素材の開発にも応用される可能性があります。
主な事実
- インド科学大学院大学の研究チームが、乾眠中のクマムシが熱伝導率を下げて細胞を保護する仕組みを解明した
- 乾眠状態のクマムシは85°Cでも約10%が生存したのに対し、活動中の個体は45°Cで全滅した
- 熱伝導率の低下という物理的メカニズムが、高温耐性の一部を説明する初めての実験的証拠となった
- 研究成果は『Journal of the Royal Society Interface』2026年5月13日付に掲載された
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